ベルギー・ EU 動向( 2011 年 5 月 1 日〜 31 日) ジェトロ・ブリュッセル事務所
1.ベルギーの政治動向
(1)ベク CD&V 党首、国王に最終報告 アルベール 2 世国王から 3 月 2 日、国家改革に関する合意準備のための交渉役( Royal Negotiator )に任命されていた、フラマン(オランダ語)系「キリスト教民主・ブラームス( CD&V )」のウォーテル・ベク( Wouter Beke )党首は、ラーケン王宮で国王に謁見し、最終報告を行った。ベク氏は、 2 ヵ月半にわたる調査を経て、交渉役の任を解かれた。 ( 5 月 12 日)
(2)国王、ディルポ PS 党首に組閣を要請 アルベール 2 世国王は、ワロン(フランス語)系社会党( PS )のエリオ・ディルポ( Elio Di Rupo )党首をラーケン王宮で接見し、連邦政府の組閣担当者( Formateur )に任命した。組閣担当者はそのまま首相に就任するのが通例。組閣に成功すれば、 1979 年 3 月以来 32 年ぶりとなるワロン系政党からの連邦政府首相が誕生する公算が高まっている。 ( 5 月 16 日)
2.ベルギーの経済動向 (1) 4 月の新車登録、 7.0 %減 2011 年 4 月の新車登録台数は、前年同月比 7.0 %減の 5 万 3,300 台だった。新規登録車の 11.5 %がルノーで、フォルクスワーゲン( 10.6 %)、プジョー( 8.1 %)がこれに次いだ。 ( 5 月 2 日)
(2)フィッチ、ベルギーの格付け見通しを引き下げ 大手格付け会社フィッチ・レーティングス( Fitch Ratings )は、政治空白に伴う財政健全化への懸念などを理由に、現在「ダブル A プラス」となっているベルギーの長期信用格付けの見通しを「ステーブル(安定的)」から「ネガティブ(弱含み)」に引き下げた。ベルギーの格付けをめぐっては、米国のスタンダード・アンド・プア―ズ( S&P )も 2010 年 12 月 14 日、「ネガティブ」に引き下げている。 ( 5 月 23 日)
(3) 4 月の失業手当受給者数、 41 万 7,407 人 2011 年 4 月の求職中の失業手当受給者数は 41 万 7,407 人となり、前月比 0.4 %減(前年同月比では 4.0 %減少)した。 ( 5 月 26 日) (4) 5 月の消費者物価、 3.4 % 連邦経済省は、 2011 年 5 月の消費者物価上昇率は前年同月比 3.4 %と発表した。前月に比べ 0.1 ポイント低下した。 ( 5 月 30 日)
3.ベルギーの産業動向
(1)コンテナ表面から微量の放射能反応 連邦原子力管理庁は、ゼーブルージュ港( Zeebrugge )に到着した 6 つのコンテナのうち、 1 つのコンテナの表面から微量のセシウム 137 の放射能反応が検出されたと発表した。放射能反応が検出されたのはコンテナの表面のみで、コンテナの中身(掘削機など)からは検出されなかった。 ( 5 月 3 日)
(2)テレネット・テクテオ、国内 4 番目の携帯電話事業者へ 通信規制当局( BIPT )は、 3 月 15 日に開始した第 3 世代( 3G )携帯電話事業免許の新規入札に対して、ケーブルテレビ大手のテレネット( Telenet )とテクテオ( Voo )から共同応札があり、受理したと発表した。国内では現在、ベルガコム系のプロキシムス( Proximus )、フランステレコム系のモビスター( Mobistar )およびオランダ KPN 子会社のベイズ( Base )の 3 社が事業を展開している。夏前には認可が下りる見通しで、認可されると国内 4 番目の携帯電話事業者となる。 ( 5 月 10 日)
(3)武藤工業、 124 人を解雇 フランダース地域オーステンデ( Oostende )に拠点を構える情報画像関連機器事業者の武藤工業( Mutoh )は、日本での生産一本化のため、 124 人を解雇すると発表した。調査、販売、サポート機能は維持される。ベルガ通信が報じた。 ( 5 月 13 日)
(4)天然ガス複合火力発電に伊藤忠が出資 英国の独立系発電事業者( IPP )大手、インターナショナル・パワー( International Power )は、同社が保有するベルギーの天然ガス複合火力発電所 T パワー( T-Power )の株式の 33.3 %を、 4,800 万ユーロで伊藤忠商事に売却することで合意した。伊藤忠にとっては、欧州市場で初の天然ガス発電所への投資になる。 ( 5 月 18 日)
(5)ソルベイ、梨花女子大キャンパス内に共同研究開発拠点を設立へ 化学大手ソルベイ( Solvay )は、韓国の梨花女子大学( Ewha Womans University )のキャンパス内に研究・開発・技術( RDT )センターを設置し、特殊化学部門のグローバル本部を同地に移転させることで大学と合意した。ソルベイは RDT センターに 1,300 万ユーロを投資し、大学と共同で、電力、リチウムイオン電池、太陽電池などの研究開発の強化を図る。 ( 5 月 30 日)
4. EU の動向
(1) 3 月の失業率は前月と変わらず ユーロ圏 17 ヵ国の 2011 年 3 月の失業率(季節調整済み)は 9.9 %、 EU 加盟 27 ヵ国は 9.5 %で、ともに前月から変化がなかった。国別では、スペインが前月比 0.1 ポイント増の 20.7 %となり、再度上昇に転じている。他方、オーストリアが前月比 0.4 ポイント減と大きく改善した。 ( 5 月 1 日)
(2)労働者の自由移動、最大 7 年の移行措置が終了 ドイツとオーストリアが 4 月 30 日に中・東欧 8 ヵ国に対する就労規制を撤廃したことを受けて、ルーマニアとブルガリアを除く EU25 ヵ国内の「労働者の自由移動」が完成した。しかし、 EU25 ヵ国のうち 10 ヵ国がルーマニアとブルガリアの 2 ヵ国に対する就労規制を維持しており、最長で 2013 年末まで継続される見込み。 ( 5 月 1 日)
(3)欧州委、新たな GSP 規則案を発表 欧州委員会は、新しい一般特恵関税( GSP )規則案を発表した。新規則案では GSP の対象国・地域が 176 から 80 程度に減少する一方、脆弱(ぜいじゃく)な開発途上国に対する優遇制度の GSP プラスについて、輸入シェアなどの要件を緩和する。 EU 閣僚理事会、欧州議会での議論・承認を経て、 2014 年 1 月の発効を目指す。 ( 5 月 10 日)
(4) 55 %が母国語以外のウェブサイトを閲覧 欧州委員会は、インターネット使用時の言語に関する調査結果をまとめた。それによると EU では、インターネット使用者の 55 %が母国語以外のウェブサイトを時々閲覧し、 35 %が E メールやインターネット上でのメッセージ発信に母国語以外の言語を使用していた。しかし、母国語以外で常時あるいは頻繁にオンラインでの買物をする利用者は 18 %にすぎなかった。 ( 5 月 11 日)
(5) EU の 11 年と 12 年の GDP 成長率は 1.8 %、 1.9 % 欧州委員会は、春季経済予測を発表し、 EU の 2011 年の実質 GDP 成長率を 1.8 %、 12 年は 1.9 %になるとの見通しを示した。 11 年については前回の秋季経済予測を 0.1 ポイント上方修正し、 12 年については 0.1 ポイント下方修正した。しかし、財政赤字の解消に苦しむポルトガルやギリシャなどでは GDP 成長率を大幅に下方修正しており、域内の不均衡是正はまだ途上にある。 ( 5 月 13 日)
(6) EU 、中国に初の相殺関税を発動 EU は中国産光沢紙に対して、アンチダンピング( AD )税の賦課を決定するとともに、対中国では初となる相殺関税を発動し、 8 〜 35.1 %の AD 税と 4 〜 12 %の相殺関税を課した。中国は EU の決定に強く反発しており、 EU と中国の貿易摩擦の新たな火種とみる向きもある。 ( 5 月 14 日)
(7) EU 、汎欧州・地中海原産地規則に関する条約を承認 EU 閣僚理事会は、汎欧州・地中海原産地規則に関する地域条約の署名を承認した。 1 つの条約に集約することで EU 、地中海諸国での累積原産地制度導入を推進する。同条約には、欧州自由貿易連合( EFTA )諸国、 EU 加盟を目指す西バルカン諸国も参加する予定。 ( 5 月 15 日)
(8) EU 経済・財務相理事会、ポルトガルへの財政支援を決定 EU 経済・財務相( ECOFIN )理事会は、欧州中央銀行( ECB )の次期総裁として、イタリア中央銀行のマリオ・ドラギ総裁を指名する勧告を採択した。また、ポルトガルへの財政支援を決定したほか、アイルランドの経済調整プログラムの実施についても見直した。 ( 5 月 17 日)
(9) EU とスイスが「原産地呼称および地理的表示保護協定」に調印 EU とスイスは、農産物と加工食品に関する「原産地呼称および地理的表示保護協定」に調印した。スイスにとって EU は農産品の最大の貿易相手で、市場での相互の保護強化に貢献するとみられる。 ( 5 月 17 日)
( 10 )日本産輸入食品の放射線検査対象に神奈川県を追加 欧州委員会は、日本からの輸入食品の放射線検査に関する欧州委員会規則を見直し、神奈川県を検査対象に加えることを決定した。これで検査対象は 1 都 12 県になる。改定規則は 24 日に EU 官報に掲載、 25 日に発効した。 ( 5 月 24 日)
( 11 )原発の安全性検査、 6 月 1 日から実施 欧州委員会と欧州原子力安全規制機関グループ( ENSREG )は、 EU27 ヵ国のうち 14 ヵ国にある 143 基のすべての原子力発電所を対象とした安全性検査(ストレステスト)を、 6 月 1 日から順次実施すると発表した。 ( 5 月 25 日)
( 12 )日本との FTA / EPA 予備交渉開始で合意 日・ EU 定期首脳協議がブリュッセルで開催され、日本がかねてから要望している自由貿易協定( FTA )/経済連携協定( EPA )の交渉開始についても協議し、同協定の対象と範囲を決める予備交渉、いわゆるスコーピング作業を可能な限り早期に開始することで合意した。 1 ) 3 月 11 日の震災後の日本政府と日本国民に対する「連帯」の再確認、 2 )原子力分野と災害救援、人的援助における EU の支援と 2 国間協力の確認、 3 )日・ EU 間の政治・経済関係の緊密化に向けた作業を通じた 2 国間関係の再活性化、の 3 つの目標を掲げた。 ( 5 月 28 日)
( 13 ) 4 月の失業率が 0.1 ポイント改善 EU 加盟 27 ヵ国の 2011 年 4 月の失業率(季節調整済み)は前月から 0.1 ポイント改善し、 9.4 %となった。ユーロ圏 17 ヵ国は 9.9 %で、 3 ヵ月連続で変化がなかった。国別では、スペインが 20.7 %となり、依然高止まりしている。他方、スウェーデンやドイツでの改善傾向が際立ってきた。 ( 5 月 31 日)
日本貿易振興機構(ジェトロ)ブリュッセル事務所では、欧州共同体官報( L シリーズ)のインデックス翻訳や上記 EU の動向を含めた EU 情報メールマガジンを定期的にお送りしています。送付をご希望の方は belinfo@jetro.go.jp まで送信先メールアドレスをご連絡ください。また、欧州情報発信サイト( http://www.jetro.go.jp/world/europe/ )もご活用ください。(詳しくは小林、和泉まで。 TEL : 02/282.05.00 、 FAX : 02/280.25.30 ) 『ベルギー日本人会商工委員会ビジネスセミナー案内送付のお知らせ』 日本人会商工委員会と日本貿易振興機構(ジェトロ)ブリュッセル事務所は、労務・法務、会計、政策動向、経済情勢など皆様のビジネスに関連するテーマを題材にしたビジネスセミナーを年に 4 回開催しています。日本人会会員企業の方は無料で本セミナーにご参加いただけます。案内状の送付を希望される方は、 belinfo@jetro. go.jp までメールアドレスをご連絡ください。 |